SASHIKO OVERDYE
刺し子の表情はそのままに、
着心地を変える。

刺し子に使われている糸が何か、気にしたことがある人は少ないと思います。凹凸が刻む力強い表情——それが刺し子の価値であり、裏を返せば、どんな糸で織っても「刺し子らしさ」は成り立ってしまう。だからこそ、糸の質が問われる機会がなかったとも言えます。
MOMOTARO JEANSは、その前提と向き合いました。今回は、超長綿スビンコットンを100%使用し、刺し子の表情を損なわないまま、洋服として成立する柔軟性としなやかさを備える。さらに、ブランドの象徴である「特濃 - TOKUNO BLUE」を、刺し子という凹凸のある生地の上で成立させるために、染めの工程も一から設計しています。
伝統的な技法に敬意を払いながら、素材と工程で洋服としての品質を揃える。SASHIKO OVERDYEは、その姿勢を形にしたコレクションです。
FABRIC
織りから始まる、
刺し子の洋服づくり
刺し子の凹凸は、一本一本の糸が交差しながら浮き沈みを繰り返すことで生まれます。この織りの工程を見ると、刺し子がいかに多くの糸を必要とし、その一本一本の質がいかに仕上がりを左右するかがわかります。

通常の刺し子は、糸の使用量が多い分、繊維長の短い糸で織られるのが一般的です。それでも刺し子の"見た目"はつくれますが、裁断し、縫製し、人が袖を通して洋服として成り立つかどうかは、糸の段階で決まります。
スビンコットンという選択

今回、糸に使用したのは、超長綿のスビンコットンです。繊維が長くしなやかなこの糸は、刺し子の構造でも生地に柔軟性をもたらします。
刺し子を洋服にするには、凹凸の表情を保ちながら、身体に沿うしなやかさ、動いたときの追従性、仕立てたときのシルエットの美しさが求められます。スビンコットンを100%使用するという判断は、刺し子を生地素材として留めず、洋服として届けるという意志から来ています。
「特濃 - TOKUNO BLUE」を刺し子の上で成立させる

この刺し子をINDIGOとBLACKの2色で仕上げています。
INDIGOでは、生成りの生地をインディゴで染めた上から、さらに反応染めでオーバーダイを施しています。狙った色に届く道筋を工程として組み立て、結果を揃える。一方のBLACKは、硫化染めで仕上げています。ごまかしの効かない黒だからこそ、正面から染め、素材そのものの力をそのまま映し出しています。
INDIGOとBLACKは単なる色違いではありません。色を選ぶことが、仕上がりの性格を選ぶことになる。素材を選び、工程を組み立て、染目に向き合う。その積み重ねが、MOMOTARO JEANSのものづくりです。
SASHIKO OVERDYEの5型
スビンコットンの刺し子を、2色の染めで仕上げた生地。その素材と色を、それぞれ異なる役割を持つ5つの型で展開します。
#002 SASHIKO JACKET-OVERDYE
最もベーシックなフィットのダブルポケットジャケット。ややゆとりのある身幅と程よい着丈で、刺し子を日々手に取る一着に整えた基本形です。
SASHIKO JACKET-OVERDYE
パイピング仕立て、補強布を施したポケット、ピボットスリーブ。スビンコットンのしなやかさを活かし、機能と仕立ての美しさを両立しています。
SASHIKO TAILORED JACKET-OVERDYE
ワークの骨格にテーラードの品を重ねた一着。刺し子の力強さを、品のある立ち姿へ整えています。
SASHIKO VEST-OVERDYE
一重仕立てでカットソーからシャツまで幅広く対応。刺し子を主役にも引き立て役にも切り替えられるベストです。
SASHIKO PANTS-OVERDYE
腰裏・股・膝に補強布を配したベーシックなテーパードシルエット。刺し子の存在感を足元から日常に馴染ませます。
